中野 雅俊
私は新卒で某劇団に入社し、ITとは全く関係のないチケット販売の営業や、公演の運営をしていました。
しかし、伝統を重んじるアナログで保守的な体制に疑問を感じたことと、直接的に、かつスピーディに社会を変える仕事がしたいという思いが募り、IT業界への転職を経て、現在はRegnioで事業開発の仕事をしています。
今回は劇団での営業の仕事と、就職活動やインターンについて、私が考えてきたことを記してみようと思います。
私が新卒で劇団に入社したのは、ひとえに演劇が大好きだったからです。小学校2年生の頃からこどもミュージカルに参加し、大学は舞台音響や音声を学ぶための学部に進学し、演劇部にも所属していました。
演劇を仕事にするという、小さい頃からの夢が叶った私の配属先は、営業部でした。営業部の仕事は、企業や病院、学校などへチケットを販売する営業が主でした。
「私たちの仕事は客席を創ること」と先輩に教えていただきながら、新規顧客獲得に全力で取り組みました。
初めて、学校の芸術鑑賞の新規商談が成功したときはとても嬉しかったことを今でも覚えています。先輩も、大きな声で一緒に喜んでくれました。
仕事を続けていくと、営業にも様々なスタイルがあることが分かりました。例えば、既存顧客なのか新規顧客なのか、短期間でまとまる単価の低い商談なのか、時間のかかる高単価な商談なのか、販売する商品のカスタマイズ性はどのくらいかなどです。さらに、自分の性格に合うスタイルと合わないスタイルがあることが分かりました。
私は、販促企画を考えたり、顧客と一緒に時間をかけて解決策を探したりすることが好きでした。
恥ずかしながら、就職活動をしていた頃の私は、自己分析も企業分析もあまりできていなかったので、自分の性格に合ったスタイルの業務なのかどうかを深く考えていませんでした。
社会人になって初めて自分がやりたい業種の中でも、自分の性格に合う仕事と合わない仕事があることに気がついたのです。
そんな私ですが、事業開発の仕事をするようになり、昨年は学生インターン生2名と、約1年間仕事をする機会がありました。
2人には業務についてだけではなく、報告・連絡・相談の仕方などのビジネスの基礎や、おすすめのビジネス本、社会に出て働いた経験についてなどの会話もしました。2人に教えることで私の頭の中が整理され、考えがまとまっていくことや、2人の仕事ぶりから自分の至らない点に気づかされることが多々あり、教えるという行為は最大の学びであると実感しました。
インターン生と関わるまでは、なぜインターンシップという制度があるのかについてを深く考えることはありませんでしたが、学生時代の自分と重ねて2人を見守るうちに、インターンシップとは、社会で働く自分を想像できるようになるためにあるのだと気づきました。
私は大学を卒業するまで、演劇に熱中していて、自分の性格に合うこと合わないことを意識しておらず、自分についてや、将来の仕事について深く考えていませんでした。
社会人になり、苦手な仕事にくじけず取り組み、苦労して難題を乗り越え、自分の得意領域を見つけることで、自己分析と企業分析ができるようになりました。
もし学生のうちに少しでも実際に働く自分について、またその仕事について想像を深められていたら、社会人生活の選択肢は広がっていたかもしれません。
学生の皆さんには、インターンシップを通じて、ぜひいろんな仕事を体験してほしいです。そして、インターンシップで、「自分がどのようなことに疑問を持ったのか」「困ったときどうやって打開したか」「打開できなかった場合、それはなぜだったか」を積み重ねて整理していきましょう。
その積み重ねを通して、どんな仕事があり、自分がどんな仕事を楽しいと感じるのか、どんな仕事なら理想の自分になれるのかを想像できることを願います。
Regnioではエンジニアのインターン生を募集しています。もし興味がある方がいればご連絡ください。
Regnioでは人材教育プログラムを実施しているため、教える文化や、その重要性が社員全員に根付いています。