鉄鋼業向け機械工作機器メーカーとして歴史の長い、株式会社東研機械製作所は、基盤となる機器製造/販売とメンテナンス業に加えて、ソフトウェアを取り入れた新たな事業モデルを模索していました。
鋼材製造現場においてベテラン技術者の高齢化及び慢性的な人手不足が深刻化していたことから、作業員の勘や経験に頼らないオペレーションを実現する製造ラインの自動化ソリューションを共同開発することになりました。
鋼材製造ラインの自動化には機械、電気、ソフトウェア、ネットワーク等、幅広くかつ難度の高い技術の組み合わせが必要でしたが、機械と電気に強い同社と、ソフトウェアやシステム構築に強い弊社が組むことで実現したプロジェクトです。
鋼板製造ラインにおいて、熟練作業者が行うセンタリングという作業が自動化の対象となり、まずは現場作業の業務分析からスタートしました。
鋼板はコイル鋼材を巻き出し裁断して製造しますが、その巻き出しの過程で鋼板が右や左にずれていきます。
熟練作業者はこのズレを目視で確認しながら、機器を操り適切なタイミングで鋼材の位置を右や左に補正します。 この目視で確認している部分を全てカメラで常時撮影し、ディープラーニング(CNN)を用いて画像からズレを定量化していきます。
さらに、熟練作業者の制御信号も同時に取得し、ズレの定量値と組み合わせてディープラーニング(RNN)で制御信号生成モデルを作成しました。
すなわち、熟練者の目と勘をハードウェアとディープラーニング技術によりモデル化し、鋼板製造ラインの自動化を目指したのです。
現場では大電力系システムから来る電気ノイズや、鉄の粉塵、油等が舞う為、汎用的なハードウェアではすぐに壊れてしまう環境ですが、耐久性の高いエッジコンピューターシステムを構築し、安定的にカメラ映像や電気信号を取得できるようにしました。現在は、車の自動運転で言うところの「レベル3」の条件付き運転自動化を実現する為、日々、開発と実証実験を継続中です。
works
鋼板の生産ラインを自動化! 熟練の匠にしかできない神技。 自動制御システムで現場の負担を軽減
重厚長大な産業の現場で活躍する 匠の「熟練の技」をデータ化し、AIモデルを生成。
安全性の向上や、後継者不足の解消、現場の方々の負担の軽減に繋がるようなプロダクトを、パートナーと共に作っています。
需要予測から生産計画を立案! 資材発注と生産実績計上も自動で行い、 生産工程を丸ごと効率化。
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